志望大学の入学を目指して、浪人という選択をすることもあるかと思います。しかし晴れて合格をしても、ご家庭の事情で学費が十分になく「奨学金を利用しようと思っていたけど浪人生の場合はどうなるんだろう?」と考える方や、「奨学金の採用が決まっていたけど、結局浪人することにしたらどうなるんだろう?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当記事では浪人生の奨学金事情に焦点を当てて、解説をしていきます。浪人をするとなった場合にはいくつか注意点があるため、お見逃しのないようにご覧ください。
まず浪人をすることになったときに一番に気になるのが、そもそも奨学金を利用できるかどうかという点かと思います。結論から書きますと、日本学生支援機構の奨学金の場合浪人生でも大学に進学した際の奨学金利用の申込みは可能です。(※浪人期間中はJASSOの奨学金の受給はできません)
奨学金を申請するときは、出身の高校経由で申請をする「予約採用」と、入学先の大学にて申請をする「在学採用」があります。予約採用の奨学金の場合は、在籍していた高校に問い合わせをしましょう。
ただし注意点があり、高校経由で奨学金を申請する「予約採用」の場合は、「卒業をしてから2年以内」という制限があります。
奨学金は、お金の返還義務が生じない「給付型奨学金」と返還義務が生じる「貸与型奨学金」の2種類がありますが、高校経由で申請をする場合はどちらも2浪までとなっており、3浪以上になると高校経由での奨学金申請は不可能になってしまいます。東京大学や京都大学などの難関大学を志望している方であれば多浪する方も多いですが、浪人数によって高校経由で奨学金が申請できるかが異なってくることは覚えておきましょう。
また高校生3年生のときに奨学金の申請をしており、採用が決まっていた方の場合は取り消しになってしまいます。ただし再度申し込みはできるため、もう一度新規で申請をするようにしましょう。
また、各奨学金の申し込みの可否をまとめたものが以下の表です。
奨学金種別 | 1浪 | 2浪 | 3浪以上 |
---|---|---|---|
給付型-予約採用 | 〇 | 〇 | × |
給付型-在学採用 | 〇 | 〇 | × |
第一種-予約採用 | 〇 | 〇 | × |
第一種-在学採用 | 〇 | 〇 | 〇 |
第二種-予約採用 | 〇 | 〇 | × |
第二種-在学採用 | 〇 | 〇 | 〇 |
(※浪人期間中はJASSOの奨学金は受給できません)
奨学金が無事に利用できることが分かりましたら、申請まで行いましょう。日本学生支援機構の奨学金には返還義務のない「給付型奨学金」と返還義務のある「貸与型奨学金」があります。
それぞれの内容と支給条件を理解したうえで、申請をするようにしましょう。ここからは給付型奨学金と貸与型奨学金について説明をしていきます。
給付型奨学金の対象者は、別途、進学先の大学等に申込むことで、授業料と入学金の免除・減額を受けることができます(高等教育の修学支援新制度)。 このように、給付型奨学金は非常にお得なものになっています。しかしその分支給してもらうためのハードルは高いことは気をつけておかなくてはなりません。
採用基準には大きく「学力基準」と「家計基準」という2種類の条件があり、どちらもクリアする必要があります。 給付額は住民税課税世帯の場合、国公立だと最大で月額66,700円になります。また私立では最大で月額75,800円になります。 支給額は、世帯の所得金額に基づく区分に応じて、「国公立・私立」及び「自宅通学・自宅外通学」により定まります。
貸与型奨学金は返還義務が生じる奨学金のことです。貸与型奨学金には、無利子の「第一種奨学金」と、有利子(上限利率3%)の「第二種奨学金」があります。さらに、入学時、一時金として貸与する入学時特別増額貸与奨学金(利子付)があります。有利子の第二種奨学金と比べると、無利子の第一種奨学金の方が学力基準においても家計基準においても求められるハードルが高くなります。
支給額は、月2~12万円の中から自分で選択ができます。1万円単位での選択が可能です。ただし借りすぎると後々の返済が大変になるため、必要な額だけ申請することをオススメします。
給付型奨学金と貸与型奨学金を併せて利用することも可能です。ただし第一種奨学金と併用する場合、貸与月額の調整が入ることもあるのは、覚えておきましょう。
浪人生の方も奨学金の申請をすることはもちろん可能です。しかし申請を希望している方は、いくつか注意をする必要があります。こちらでは奨学金を希望する浪人生の方が間違えやすい、いくつかの注意点を記載しました。以下の注意事項を確認頂き、しっかり奨学金が受給できるように申請をしていきましょう。
志望大学とは別の大学へ入学をし、大学生ではあるもののもともとの志望大学へ再び入学を志す方を仮面浪人と言います。実はこのように既に別の大学に入学をし、再入学というかたちで別の大学へ入った場合は、二重受給を防ぐ意味合いで、奨学金を受け取ることができない仕組みになっています。
奨学金申請するときには身分証明書が必要になります。現役の学生であれば学生証が身分証明書として利用できますが、予約採用を希望している大学入学前の浪人生の方であれば、困ってしまう方もいるかもしれません。予備校にも学生証がありますが、予備校の学生証は残念ながら身分証明書の代わりにはなりません。
そのようなときは、マイナンバーカードで申請をしましょう。マイナンバーカードは身分証明書として提出をすることが可能です。
奨学金の申し込みは時期が決まっています。高校や大学に在籍をしているときは学校経由で通知がきますが、浪人生の場合は通知がこないため、申し込み忘れをしてしまうケースもしばしばあります。予めスケジュールの把握と情報収集はしておくようにしましょう。
浪人生のときは予備校や自宅で勉強尽くめになるため、ついつい時期のことは失念しがちになります。そのためうっかり奨学金の申し込みを忘れてしまうこともあるでしょう。そのようなときは「秋の追加募集」で申請をするか、「在学採用」で申請ができます。
奨学金の申し込みは基本的に春に行っていますが、秋に募集をすることもあります。 奨学金の種類や採用枠に制限はありませんが、在学している学校が秋採用を募集しているかどうか確認してください。 春募集のみ対応している高校では、秋募集を受付していないことがありますので、春に申込むようにするとよいでしょう。
奨学金は、大学入学前に申請をする予約採用だけではなく、大学へ入学をしてから申請をする在学採用という申請方法もあります。そのため大学へ入学をしてから奨学金の申請をするのも一つの手でしょう。
入学後の4月頃に、大学で奨学金説明会が開かれます。学校からお知らせがあるので、見逃さないように注意をしてください。
また在学採用となると、予約採用のときとは利用条件が少し異なってきます。給付型奨学金に関しても貸与型奨学金に関しても、学力基準で申請条件を満たしているかが確認されます。
予約採用のときは高校の学力が基準になりますが、在学採用は入試の成績や大学の学力(GPA)が評価対象となることを覚えておきましょう。
奨学金は浪人をしても申請をすることが可能です。ただし高校経由で申請ができるのは2浪までとなっています。(※浪人期間中はJASSOの奨学金は受給できません)
また既に予約採用で奨学金の採用が決まっていたものの、浪人をすることを決めた場合は、残念ながら資格がなくなってしまいます。しかし再度申請は可能になるので、もう一度申請をするようにしましょう。
ただし浪人生が注意するべきなのは、浪人年数だけではありません。浪人生の中には一度別の大学に入る仮面浪人をする方もいらっしゃいますが、再入学をする方だと奨学金は申請ができないのです。また浪人生の方が予約採用を申請するときにはマイナンバーカードが必要になったり、奨学金申し込み時期を見逃さないように情報収集が必要だったりします。
奨学金を申請するときには、奨学金の種類や特徴を理解したうえで申請をしましょう。奨学金には給付型奨学金と貸与型奨学金の2種類があります。どちらも学力基準と家計基準があり、給付型が一番ハードルが高く、有利子の貸与型が一番ハードルが低くなります。
浪人の注意点を踏まえながらぜひ第一志望の大学に入学し、奨学金を利用して頂ければ幸いです。
ガクシーでは充実した奨学金検索機能や、アカウント登録後のリマインド機能から、あなたに合った奨学金を見つけ忘れずに申し込みをするところまでサポートしています。
申し込みの期日のリマインドや、お得な奨学金情報は会員登録をすると受け取ることができます。 是非登録してお得な奨学金情報を漏らさずチェックしてください。
▼会員登録する
https://gaxi.jp/auth/login