進学の際に、教育ローンを利用することを検討している人の中には「教育ローンは公的ローン、私的ローンのどちらが良いのだろう?」と考えている人も多いかと思います。
大学に進学するにはお金がかかります。例えば、国立大学や公立大学に行っても、授業料は4年間で約250万円、私立文系で400万円未満、私立理系で500万円以上になると言われています。 すべての家族が経済的な余裕があるわけではないので、大学に進学するときには多くの人が教育ローンを検討しているでしょう。
そして教育ローンは、大きく分けて、公的機関のものと民間銀行のものがありますが、金利などの面では、公的機関が提供している公的ローンの方が圧倒的にお得です。
ただ、公的ローンには民間ローンに比べていくつかの条件があります。条件の1つは、「保証人」です。この記事ではこの点を説明したいと思います。
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日本学生支援機構(JASSO)と日本政策金融公庫は、公的機関として教育ローンを提供している団体です。
日本学生支援機構の奨学金には給付型と貸与型があり、貸与型はさらに第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)に分かれています。この第二種奨学金の利子は、利率見直し方式の場合だと年率0.003%、利率固定方式の場合だと利率0.23%です。また、大学4年生の最大融資額は約300万円から600万円、最大返還期間は20年となっています。
民間ローンの利率は2 ~ 3 %、場合によってはそれ以上になることもあることを考えると、利率を見ただけでも、公的ローンがどれだけ有利かがわかると思います。
※上記の利率は2020年7月に貸与終了となる場合の数値です。利率見直し方式は、約5年ごとに利率を見直しする変動金利方式です。利率固定方式では、一度決定した利率が返還完了まで変わらず適用されます。
一方、日本政策金融公社の一般教育貸付は、固定金利で年利1.7%とやや高いですが、融資限度額は350万円(一定の要件を満たせば450万円)、返済期間は最長15年です。民間金融機関の教育ローンの金利と比べれば、依然として有利であるといえます。
ただし、公的ローンを借りる場合は、一般的に民間ローンでは必要のない「保証人」が必要になります。ここでは、日本学生支援機構の奨学金の例を見てみましょう。日本学生支援機構の奨学金を借りるには、「保証人」と「連帯保証人」の両方が必要です。
保証人は、返還者本人が返済できない場合に、返還者に代わって返済します。原則として「おじ、おば、兄弟姉妹など」です。
連帯保証人は、親または親等4以内の親族(親がいない場合)で、借金の整理中(破産など)ではない人、である必要があります。
日本学生支援機構が求める「保証人」は、連帯保証人、保証人の2段構えになっていて、緊急時には、親だけでなく、おじ、おば、兄弟姉妹にも迷惑をかけることになります。
親戚や兄弟姉妹は、自身の生活も子供のことを考えて、保証人になるのをためらうかもしれません。では、保証人が見つからなかった場合はどうすればいいのでしょうか。
保証人が見つからなくても、ローン自体をあきらめる必要はありません。保証料を支払うことで、保証人を設ける「人的保証」から「機関保証」への切り替えが可能です。
ただし「機関保証」に切り替える場合は、追加保証料が発生するため、人的保証のときよりも条件は悪くなってしまいます。試しに返還額を計算してみましょう。計算は、日本学生支援機構のウェブサイトにある「奨学金の貸与/返還シミュレーション」を使用して行なっています
第二種奨学金(貸与型奨学金制度)
借入総額:384万円(月額80,000円×48ヶ月)
利率:年間0.23%
返還期間:20年
返還利子総額:93,574円(借入総額の約2.4%)
保証料総額:205,728円(借入総額の約5.4%)
上記の場合、当初は借入に必要な利子などの諸費用は93,574円でしたが、機関保証にすることで205,728円も増加しました。ではこの保証料205,728円を金利として換算すると利率はどうなるのでしょうか。
0.23%×(205,728円/ 93,574円)=約0.51%
0.23 + 0.51 = 0.74%
つまり、年利0.74%の固定金利で借り入れることに相当します。機関保証にすることで多少金利は増加しますが、、利子が変動金利/2%程度の民間ローンと比較すると、保証料を支払っても日本学生支援機構の奨学金の方が有利であると言えるでしょう。
この記事では、公的機関の教育ローンには保証人が必要となること、保証人がいないときに機関保証を選択したとしても、公的ローンは金利の点で民間ローンよりも有利であるということを説明しました。
あなたが教育ローンを利用しようと考えているのであれば、公的ローンを優先的に検討するほうがよいでしょう。
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