奨学金を利用している学生や、利用しようと考えている高校生の方にとって振り込まれる日や申請のスケジュール管理はとても重要です。
この記事では、日本で一番利用する学生が多い日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の振り込み時期や振り込まれる金額を中心に解説します。あらためて奨学金のスケジュールについて把握しておきましょう。
また、奨学金について多くの解説動画を上げているサツダイ奨学金担当さんのこちらの動画も奨学金の全体像をわかりやすく解説されていますので、是非参考にしてください。
【2024進学届】①大学入学!奨学金スタートに必要な手続きは?【奨学金/採用候補者説明会】
奨学金は原則、在籍している学校を通じて申し込みを行います。申し込み方法は進学前の高校三年次に奨学金の利用を予約する「予約採用」と、進学先の大学や、専門学校で利用申請を行う「在学採用」があります。
予約採用は在学している高校などを通じて進学する前に申し込みを行う方法です。奨学金の中には採用に可否があるものがあり、それが在学中にわかるので安心して進学することができます。
春と秋の年二回募集があり、進学先が未定でも申請できます。説明会などは在学している学校で行われるため利用を考えている方は必ず参加しましょう。また奨学金が不要になった場合は利用をキャンセルできるので、念のため申し込んでおくのも良いでしょう。
大学や専門学校など進学先に入学後に奨学金を申し込みを行う方法です。募集は4月頃の年一回です。予約採用と募集資格の変更などもあるのでしっかり確認してから申請する必要があります。
奨学金には「給付型」と「貸与型」があります。文字通り「給付型」は奨学金の返還が必要なく給付される奨学金で、「貸与型」は卒業後に返還する必要がある奨学金です。給付型奨学金は、授業料免除と給付型奨学金が一体化した高等教育の修学支援新制度という制度に変わりました。さらに、「貸与型」のなかにも「第一種奨学金」と「第二種奨学金」があります。それぞれ簡単に解説します。
返済する必要がない給付型奨学金は、高等教育の修学支援新制度という制度に変わり、家庭の所得及びお子さまの人数、所属する学部に基づいてⅠ~Ⅳの区分が設定されています。その区分と進学先の学校の種類と通学方法によって免除される授業料と振り込まれる金額が設定されています。
第一種奨学金はかりた奨学金の利子がかからず、無利子で借りることができる奨学金です。その反面、選考基準が親の所得基準や自身の成績など厳しく設定されています。借りれる上限額も設定されており、第二種奨学金との併用も可能です。
第一種奨学金とくらべて緩やかな採用基準となりますが、借りた奨学金には利子がつきます。利子の上限は経済状況によって変わりますが上限3%になっています。
貸与額は進学先の区分や一人暮らしをして通学するのか、実家から通学するのかという通学形態によって変化しますが第一種よりも多く借りることができます。
日本学生支援機構の奨学金は原則として貸与型・給付型ともに毎月11日に振り込まれます。例外として4月は21日、5月は16日になります。振込日が土日祝日など金融機関の休業日の場合は、その前の営業日に振り込まれることになります。
令和6年度 奨学金振込予定日
区分 | 振込日 | 区分 | 振込日 | 区分 | 振込日 |
---|---|---|---|---|---|
4月分 | 4月19日(金) | 5月分 | 5月16日(木) | 6月分 | 6月11日(火) |
7月分 | 7月11日(木) | 8月分 | 8月9日(金) | 9月分 | 9月11日(水) |
10月分 | 10月11日(金) | 11月分 | 11月11日(月) | 12月分 | 12月11日(水) |
1月分 | 1月10日(金) | 2月分 | 2月10日(月) | 3月分 | 3月11日(火) |
引用:奨学金振込日カレンダー
予約採用での初回振込日は5月、6月にずれ込む場合があります(4月分からまとめての振込になります)。入学後に申請した在学採用の場合は早くても6月、ほとんどの場合は7月になることが多いです。こちらも4月分からまとめての振込になります。
振込日は同じですが、在学中で奨学金を継続して利用している学生の場合は途切れることなく、4月から振込が行われます。
なおその年度いっぱいで貸与が終わる学生は2月の振込日に3月分も一緒に振り込まれるので、3月分の振込はありません。
初年度は授業料以外にも入学金など費用がかさみますので経済的に不安がある人は早めの予約採用で奨学金を申請しておくことがオススメです。
奨学金は給付型と貸与型の2種類がありますが、進学先の学校の種類や、通学状況によって金額も異なる設定がされています。
所得の区分 (年収目安) | 1子・2子世帯 (資産要件:授業料等減免・給付奨学金とも5,000万円未満) | 多子世帯 (資産要件:授業料等減免3億円未満、給付奨学金5,000万円未満) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
支援区分 (呼称) | 授業料等減免 支援額 | 給付奨学金 支給額 | 第一種奨学金 からの控除額 (併給調整) | 支援区分 (呼称) | 授業料等減免 支援額 | 給付奨学金 支給額 | 第一種奨学金 からの控除額 (併給調整) | |
~270万円 | 第I区分 | 満額 | 満額 | 減免満額 + 給付満額 | 第I区分 (多子世帯) | 満額 | 満額 | 減免満額 + 給付満額 |
~300万円 | 第II区分 | 2/3 | 2/3 | 減免2/3 + 給付2/3 | 第II区分 (多子世帯) | 満額 | 2/3 | 減免満額 + 給付2/3 |
~380万円 | 第III区分 | 1/3 | 1/3 | 減免1/3 + 給付1/3 | 第III区分 (多子世帯) | 満額 | 1/3 | 減免満額 + 給付1/3 |
~600万円 (理工農系) | 第IV区分 (理工農系) | 1/4 (大学(除通信)・高専は1/3) | 無し | 減免1/4 (大学(除通信)・高専は減免1/3) | 第IV区分 (多子世帯) | 満額 | 1/4 | 減免満額 + 給付1/4 |
上記以外 | - | 不採用/停止 | 不採用/停止 | 控除(調整)なし (希望額を貸与) | - | 不採用/停止 | 不採用/停止 | 控除(調整)なし (希望額を貸与) |
600万円~ | - | 不採用/停止 | 不採用/停止 | 控除(調整)なし (希望額を貸与) | 多子世帯 | 満額 | 無し | 減免満額 |
区分 | 自宅通学 | 自宅外通学 |
---|---|---|
大学・短期大学・専修学校(専門課程) | ||
第Ⅰ区分 | 29,200円(33,300円) | 66,700円 |
第Ⅱ区分 | 19,500円(22,200円) | 44,500円 |
第Ⅲ区分 | 9,800円(11,100円) | 22,300円 |
第Ⅳ区分(多子世帯に限る) | 7,300円(8,400円) | 16,700円 |
高等専門学校(第4学年以上) | ||
第Ⅰ区分 | 17,500円(25,800円) | 34,200円 |
第Ⅱ区分 | 11,700円(17,200円) | 22,800円 |
第Ⅲ区分 | 5,900円(8,600円) | 11,400円 |
第Ⅳ区分(多子世帯に限る) | 4,400円(6,500円) | 8,600円 |
区分 | 自宅通学 | 自宅外通学 |
---|---|---|
大学・短期大学・専修学校(専門課程) | ||
第Ⅰ区分 | 38,300円(42,500円) | 75,800円 |
第Ⅱ区分 | 25,600円(28,400円) | 50,600円 |
第Ⅲ区分 | 12,800円(14,200円) | 25,300円 |
第Ⅳ区分(多子世帯に限る) | 9,600円(10,700円) | 19,000円 |
高等専門学校(第4学年以上) | ||
第Ⅰ区分 | 26,700円(35,000円) | 43,300円 |
第Ⅱ区分 | 17,800円(23,400円) | 28,900円 |
第Ⅲ区分 | 8,900円(11,700円) | 14,500円 |
第Ⅳ区分(多子世帯に限る) | 6,700円(8,800円) | 10,900円 |
引用:給付奨学金(返済不要)
利子がない第一種と有利子の第二種があります。また第一種奨学金は給付型奨学金と併用して利用することができます。金額は以下から選択して振り込まれます。
区分 | 第1区分 | 第2区分 | 第3区分 | 第4区分(多子世帯) | 第4区分(理工農系) |
---|---|---|---|---|---|
国公立 自宅 | 0円 (0円) | 0円 (0円) | 20,300円 (25,000円) | 26,500円 (20,000円、31,400円) | 併給調整なし |
国公立 自宅外 | 0円 | 0円 | 13,800円 | 23,100円 | 併給調整なし |
私立 自宅 | 0円 (0円) | 0円 (0円) | 21,700円 (20,000円、30,300円) | 29,800円 (20,000円、38,700円) | 20,000円、34,500円 (20,000円、30,000円、44,500円) |
私立 自宅外 | 0円 | 0円 | 19,200円 | 20,000円、30,400円 | 20,000円、30,000円、44,500円 |
※給付型奨学金と併せて第一種奨学金の貸与を受ける場合、給付奨学金の支援区分等に応じて、第一種奨学金の貸与月額が調整されます(多くの場合は減額となり、0円となる場合もあります)。
区分 | 自宅通学 | 自宅外通学 |
---|---|---|
国公立大学 | 20,000円、30,000円、45,000円 | 20,000円、30,000円、40,000円、51,000円 |
私立大学 | 20,000円、30,000円、40,000円、54,000円 | 20,000円、30,000円、40,000円、50,000円、64,000円 |
20000~120000円までを10000円単位で選択
引用:貸与奨学金(返済必要) ※1私立大学の医・歯学の課程の場合、120,000円に40,000円の増額が可能です。 ※2私立大学の薬・獣医学の課程の場合、120,000円に20,000円の増額が可能です。
奨学金を借りている期間中でも、自分が毎月いくら借りていて、総額がいくらになるのかということはスカラネット・パーソナル(スカラネットSP)というシステムで確認することができます。
貸与、給付期間はいつまでか、月額の貸与額や総額いくら返還するのか、各種証明書の発行申請などを行うことができます。
このシステムは奨学金の返還が始まった後も継続して使用するため、早い段階から使い方に慣れておくと良いでしょう。
今回は奨学金の振り込み時期と振込金額を中心に解説しました。ポイントとしては原則毎月11日、祝休日の場合は前営業日に振り込まれること。初回の振り込みだけ予約採用か在学採用かで振り込み時期が異なること。金額は貸与型、給付型によって異なることです。
またいつでも募集があるわけでなく自分が利用したい奨学金の種類を確認していつ募集があるのかをしっかり確認しておくことも重要です。
返還が難しくなった場合には返還期限猶予制度や減額返還といった救済制度も利用ができます。それらも検討しながらご自身にとって無理のない計画をたてて奨学金を利用しましょう。
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