進学をする際には授業料や入学金など、多額のお金が必要になります。そんなお金を工面するときに便利なのが奨学金です。
奨学金とひとくちに言っても、貸与する団体も様々で、金利や返還期間なども変わってきます。奨学金を借りる前に、どのような奨学金の種類があるかを知ることで、よりお得に工面をすることができるでしょう。
そこでこちらの記事では、奨学金の種類について詳しく解説をしていきます。ぜひ、奨学金を借りる時の参考にしてみてください。
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また、奨学金について多くの解説動画を上げているサツダイ奨学金担当さんのこちらの動画も奨学金の全体像をわかりやすく解説されていますので、是非参考にしてください。
【#ゼロからわかる奨学金 ②】どんな奨学金がある?「違いがよくわからん」と思ったら見る動画
日本学生支援機構の奨学金は、大学生の36.2%、短大生の44.1%、専門学校生の42.5%が利用している最もポピュラーな奨学金です(2019年調べ)。日本学生支援機構の奨学金には「給付型」と呼ばれるものと「貸与型」と呼ばれるものがあります。「貸与型」には「無利子の第一種奨学金」、「有利子の第二種奨学金」、「有利子の入学時特別増額貸与奨学金」があります。こちらでは、これらの奨学金を詳しく解説をしていきます。
給付型の奨学金は、名前の通りお金が給付されるタイプのものになります。返還をする必要がなく、一番お得な奨学金となります。
給付型の奨学金を得るためには「成績の基準のクリア」「指定の学校への在籍」「家計の基準のクリア」「資産の基準のクリア」をしている必要があります。また給付が決まっても、条件を満たし続けなければ廃止となることもあるため注意が必要です。
成績の基準に関しては以下の通りです。
■高校在学時(1もしくは2を満たす必要あり)
1.全履修科目の評定平均が5段階評価で3.5以上の者
2.面談・レポートによって学習意欲を有すると確認された者
■大学入学以降(1~3のいずれかを満たす必要あり)
《大学1年次》
1.高校時、全履修科目の評定平均が5段階評価で3.5以上であること、又は、入学者選抜試験の成績が入学者の上位1/2の範囲に入っていること
2.学修計画書等によって、社会で自立し活躍する目標をもって学修意欲があると確認できること
3.高校卒業程度の認定試験の合格者であること
《大学2年次以降》
1. GPAが学部等の中で上位1/2の中に入っていること
2. 標準単位数以上の単位を獲得しており、学修計画書によって、社会で自立し活躍する目標をもって学修意欲があると確認できること
給付奨学金を受けるには、進学先の大学等が給付奨学金の対象校として国又は自治体の確認を受けている必要があります。あなたの進学先が対象校かどうかは、支援の対象となる大学・短大・高専・専門学校一覧|文部科学省ホームページで確認できます。
ちなみに令和4年5月31日時点で、大学・短大は98.1%、高専は100%、専門学校は75.0%が対象です。専門学校への進学を希望している生徒は志望校が対象効果よく確認しましょう。
家計の基準に関しては、世帯の収入額や職業、進学先などが関与してきます。以下に月当たりのおおまかな給付額の目安を記載しますので、検討をつけるときの参考にして頂ければ幸いです。
また前提として、生計維持者が1人の場合は資産が1250万円内、生計維持者が2人の場合、資産が2000万円内におさまっている必要があるため、ご注意ください。
世帯年収 | 国立 | 私立 | ||
自宅通学 | 自宅外通学 | 自宅通学 | 自宅外通学 | |
271万円以下 | 3万円程度(月) | 6.6万円程度(月) | 4万円程度(月) | 7.5万円程度(月) |
303万円以下 | 2万円程度(月) | 4.4万円程度(月) | 2.6万円程度(月) | 5万円程度(月) |
378万円以下 | 1万円程度(月) | 2.2万円程度(月) | 1.3万円程度(月) | 2.5万円程度(月) |
仕組みが少し複雑になるため、詳しく知りたい方は以下の日本学生支援機構の進学資金シミュレーター - JASSOを使って確認してみることをおすすめします。
なお、給付奨学金の支給対象の学生は、申請により授業料等の減免も同時に受けることができます(高等教育の修学支援新制度)。
貸与型の奨学金とは、返還義務のある奨学金のことです。貸与型奨学金の中には「第一種奨学金」と「第二種奨学金」の2種類があります。
第一種奨学金は、利子がつかないタイプの奨学金のことです。申し込み時点での評定平均値が5段階評価で3.5以上である必要があるため、無利子で借りられるメリットがある分、ハードルは高めとなります。
貸与の額に関しては一定のグループ内の月額からの選択になります。なお、最高月額選択できるのは第一種・第二種併用の基準を満たした人です。
以下に貸与額に関してまとめているので、よろしければ参考にしてみてください。
国立 | 私立 | ||
自宅通学 | 自宅外通学 | 自宅通学 | 自宅外通学 |
4万5千円(月) | 2万円・3万円・4万円・5万1千円(月) | 5万4千円(月) | 2万円・3万円・4万円・5万円・6万4千円(月) |
第二種奨学金は、利子がつくタイプの奨学金のことです。卒業後に年利3%が上限として利子がつきます。第一種ほどハードルは高くありません。「成績が標準以上であること」、「特定の分野で特に優れた素質能力が認められている者」、「学修意欲があり、学業を確実に修了見込みがあること」のいずれか一つを満たせば良いのでこの基準をクリアできない人はほとんどいないでしょう。
貸与額に関しては、最低で月額2万円、最高で月額12万円を借りることが可能です。また貸与額は1万円単位で選択をすることが可能です。返還を見据えたうえで、必要な金額を算出したのちに申請をしましょう。
なお第一種奨学金と第二種奨学金は併用することも可能です。しかし収入の基準が第一種奨学金よりも厳しく設けられているため、必ずしも併用可能な訳ではないという点に注意をしましょう。
貸与型の奨学金を利用する方は、低所得者向けの入学時特別増額貸与奨学金も利用することが可能です。入学当初は入学金などで特にお金がかかるということもあり、初年度のみ一時金としてこちらの制度を利用することができます。
最大50万円まで貸与してもらうことが可能ですが、貸与してもらうタイミングは入学後になります。入学前に振り込まれる訳ではないことに注意をしておきましょう。 ただし、入学時特別増額貸与奨学金の採用候補者は労働金庫(ろうきん)の入学時必要資金融資を利用することが可能です。予約申込時の金額が上限になりますので50万円を選択しておくとよいでしょう。なお、この融資は国の教育ローンを利用できる場合には活用できません。
奨学金を貸与や給付をしているのは、日本学生支援機構だけではありません。他にも多数の機関があります。また日本学生支援機構は、ほかの奨学金との併用を制限はしていないため、ほかの団体の給付型奨学金を積極的に調べ活用しましょう。 給付型奨学金は成績がよくないともらえないと思い込んでいる人がいますが、成績不問の給付型奨学金もあります。ガクシーなどの検索サイトで調べてみましょう。
大学でも奨学金制度があるところも多いです。特に私立には多いので、興味のある方は大学のHPを確認してみましょう。
大学の奨学金には、給付してもらえるものもあれば、授業料が減免されるものもあります。対象者も被災地出身の学生に対する制度や、地方高校出身の学生に対する制度など様々で、医療系の学校特有の制度などもあります。
民間企業が社会貢献などのために奨学金の貸与や給付を行っているところも多いです。給付額や対象者は企業によって様々なので、こちらも調べてみることがおすすめです。
保護者が住んでいる自治体の奨学金制度を利用できるケースもあります。貸与型(無利子)や給付型どちらもありますが、多くは貸与型です。また、多くは高校生対象です。
支給形態は一定金額の無利子月額貸与が多いですが、入学準備金としてまとまった金額を貸与する自治体もあります。
貸与型には低所得世帯などを対象とした生活福祉資金貸付制度として社会福祉協議会の「教育支援資金」やひとり親家庭に対する母子父子福祉資金(就学支度資金・修学資金)もあります。
自治体の奨学金のみでは賄いきれないこともあるため、他の奨学金と併用する方もいます。 この場合、日本学生支援機構やほかの奨学金との併用が認められない場合がありますので自治体に問い合わせてみましょう
申し込みたい奨学金が見つかったら、あとは申請をする必要があります。こちらでは、「日本学生支援機構の奨学金の場合」と「地方公共団体の奨学金の場合」に分けて申請方法を説明しているため、今後の参考にしてみてください。
日本学生支援機構の奨学金を申し込みたいときは、進学前に申し込む「予約採用」と進学後に申し込む「在学採用」から、ご自身の状況に合ったもので申し込む必要があります。
二つの違いは以下の通りです。
予約採用の場合、申請が通れば、あとは進学先に入学後「進学届」を提出することで貸与・給付を受けることができるため安心です。そのためにも、高校からの予約採用の案内は見逃さないように注意をしましょう。
予約採用は募集時期が限られています(多くは5月・6月)。タイミングを逃さないように気を付けてください。
また在学採用は、進学先に入学した後、4月に在学採用の説明会が開かれることが多いです。
この2つが一般的な申込方法ですが、個々の状況に合わせて利用できる奨学金もあります。失職・破産・事故・病気・死亡もしくは災害等によって家計が急変したときに随時申込みができる奨学金として、「緊急採用(第一種奨学金・無利子)と応急採用(第二種奨学金・有利子)があります。その他、2020年4月から始まった給付奨学金の家計急変採用もあります。
また緊急時の奨学金に関してはこちらの記事奨学金が緊急で必要になったときは?~困ったときに申請できる奨学金制度をご紹介~で詳しく解説しています。
自治体によっては公式HPにて、自治体の奨学金の情報を載せていることもあるため、まずはホームページにて調べてみることをおすすめします。
載ってなければ役所や教育委員会に問い合わせてみましょう。生活福祉資金貸付金については社会福祉協議会にお問い合わせください。
奨学金には様々な種類があります。多くの方が利用する日本学生支援機構の奨学金以外にも、民間の企業が社会貢献として行っているような奨学金、保護者の居住地である自治体の奨学金、大学独自の奨学金などです。申し込みたい奨学金が決まったら、申請のし忘れにはご注意ください。
それぞれ対象者や貸与額・給付額は異なるため、自身の進路をよく考えてさまざまな奨学金を調べ、早めに情報収集することが大切です。
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