総合型選抜は情報戦!?合格者に聞いた“適切なサポートなしでは難しい”新しい入試制度

calendar_today 2023-05-26 update 2024-12-07
Post image


目次

はじめに

変わりゆく大学入試制度について

突然ですが、このような言葉をニュースや新聞で目にしたことはありますか?

「ここ数年で大学入試は変わっている」

「共通テストは従来のセンター試験と比べて思考能力が問われるようになった」

「新しい入試形式を導入する大学が増加した」

このような言葉に受験生本人はもちろんのこと、保護者や学校関係者も変化の全てを追うことはできず、不安に思われる方が多くいらっしゃいます。

では、実際に大学入試の何が「変化」しているのでしょうか。

地域によってその変化は異なりますが、全体の傾向として以下のような点が挙げられます。

  1. 総合型選抜の導入: これは、学力試験のみならず、学業以外の成果や個性を総合的に評価する入試制度です。個別の大学や国によって異なる形態がありますが、エッセイや面接、ポートフォリオなどの要素を加えて総合的な能力を評価することが特徴です。
  2. 適性試験の重視: 一部の大学では、学力試験に加えて適性試験が導入されています。適性試験は、個人の特性や能力を測るための試験であり、学問以外の分野での才能や適性を評価することができます。
  3. インタビューや面接の導入: 学力試験だけでなく、面接やインタビューが入試の一環として取り入れられることが増えています。これにより、学生の人柄やコミュニケーション能力、将来の目標などを評価することができます。
  4. 個別の大学の特色や志望動機の重視: 大学側も、個別の大学の特色や学生の志望動機を重視する傾向があります。これにより、学生が大学との相性や熱意を示すことが求められることがあります。

これらの変化は、従来の学力試験のみに基づく入試制度よりも学生の個性や能力をより総合的に評価することを目的としています。多様な選択肢を提供することで、学生の多様な能力やポテンシャルを引き出し、より適切な大学進学の選択肢を提供することを目指しています。

増加する総合型選抜について

総合型選抜は、ここ数年で一気に増加し、受験生や保護者にもその認知度が高まりつつあります。しかし、急激な入試改革には高校の先生すら対応しきれていない場合もあり、より専門的な知識を持つ機関へのアクセスや、受験生と入試経験者を繋ぐネットワークが重要となってきます。

今回は、総合型選抜を受験するとどんなメリット・デメリットがあるのか、どのようなサポートが必要となるのかを記事にまとめました。実際に総合型選抜を受験し、合格した2人の先輩(Aさん、Bさん)から、一般受験との両立や受験に関する様々な悩みについてお聞きしました。これから総合型選抜を受験する受験生は、ぜひこの記事を参考に受験計画を練ってみてください。

今回お話を聞くお二人

Aさん

//

出身校:都内進学校
通塾:なし(高校教員からのサポートのみ)
受験内容:国公立大学の総合型選抜1校
受験対策:推薦書、面接の対策、一般入試用の学科対策

Bさん

//

出身校:地方進学校
通塾:あり(推薦・AO入試用のオンライン塾)
受験内容:私立大学の総合型選抜3校
受験対策:推薦書、小論文、面接の対策

Qどのような入試で、どんな大学を受験しましたか?総合型選抜で受験した理由は何ですか?

// Aさん
私は、国立大学の総合型選抜を受験しました。一次では推薦書の提出があり、それに通過すると面接試験がありました。もともとその大学が第一志望で一般入試を受ける予定があり、少しでも合格可能性を増やすために総合型選抜の受験を決めました。

// Bさん
私は文系の私立大学の自己推薦入試を受験しました。書類審査があり、それに通過した人は小論文の試験がありました。私は一般入試の受験は考えておらず、行きたい学部から自分のレベルに合った大学を3つに絞り、第一志望と合わせて3つの総合型選抜を受けました。

Q.総合型選抜はどのようにして知りましたか?

// Aさん
私は、大学の入学試験要項をネットで見ている際に知りました。高校2年生の秋頃にたまたま見つけて、私も受けられるのでは?と思いそのまま先生に相談しました。

// Bさん
私は、東京に住んでいる友達が総合型選抜で受験するという話をしており、総合型選抜って何だろう?と自分で調べたのがきっかけです。それまで推薦と一般以外の入試があることすら知りませんでした。地方の高校だったこともあり、周りにもそういった入試で受験する人はいませんでした。

Q.総合型選抜で受験して良かったことは何ですか?

// Aさん
受験勉強が、そのまま大学での学びに直結することです。自己推薦書の準備は、今まで自分がやってきたことを今後どのように活かせるかを考えることにも繋がり、楽しんで準備できました。また、総合型選抜を受験したことで、一般受験のみの受験よりも合格可能性を上げることができたので心の支えになりました。模試の点数が悪くても、私にはこっち(総合型選抜)もあるし…みたいな。

// Bさん
受験が11月末に終わり、高校三年生の最後を楽しめることです(笑)それに、総合型選抜の対策は私にとって学科の勉強よりも楽しかったです。もともと小論文が得意だったこともあり、自分らしく受験を終えることができたと思います。結果論ですが、一般受験をせずに総合型選抜に絞ったのは良かったなと思っています。

Q.総合型選抜を受けるにあたり大変だったことは何ですか?

// Aさん
高校が進学校だったため予備校には行かず、国公立の一般受験のための勉強も並行しながら推薦書の準備もしていたので、他の人よりもやることが増えて大変でした。これは一部の進学校の特徴かもしれませんが、生徒にはできるだけ一般受験で合格して欲しいという気持ちがあるようで、指定校推薦や学校推薦を出すことに担任の先生はやや後ろ向きでした。私が総合型選抜の受験を先生に相談した時も、「推薦書の準備に時間を取られて一般に気が回らなくなるかもよ?」と忠告されました。少しでもこの大学に入学する可能性を上げたいという思いを伝えたら承諾してもらえましたが、推薦書や面接の指導は高校の手厚いサポートがある訳ではなかったため、準備が大変でした。

// Bさん
一般受験を諦めた分小論文対策に時間を割くことができたのは良かったですが、第一志望の自己推薦の出願条件に「高校の成績が4.0以上」があり、私はかなりギリギリだったため定期テストも手を抜けない辛さがありました。それに、総合型選抜で3つとも不合格だったらもう受験の選択肢がなくなってしまうので不安でした。倍率も高いですし…。

Q.総合型選抜を受けるにあたり、どのような指導、サポートを受けていましたか?

// Aさん
高校の国語の先生に推薦書の添削をして頂き、担任の先生に面接の練習を頼みました。とにかく情報戦なので、高校の資料だけでは足りない部分もあり何度か総合型選抜用の塾に相談しに行きましたが、一般受験の勉強との両立が厳しく結局高校のサポートのみで受験しました。しかしその大学の面接では過去にどんなことを聞かれたのか、他の受験生はどのような推薦書を提出しているのか…など、総合型選抜用の塾しか持っていない情報もあるため私はそういった点でかなり苦労しました。

// Bさん
私は田舎に住んでおり、大学から東京に上京したかったのですが地元は国公立大学志向が強く、東京の私立大学、ましてや小論文を使う入試への理解はありませんでした。地元の塾でもそういった入試に詳しいひとはおらず、小論文はオンライン塾で指導してもらっていました。

自己推薦入試は合格後に入学を確約しなければならない、つまり第一志望でないと受けられないケースがほとんどです。しかし、総合型選抜では併願可能な場合もあり、そう言った情報は募集要項をよく読み込まないと分からない場合が多いです。高校ではそこまで詳しくは教えてくれないため、そういった入試に詳しい機関のサポートが必要となります。私もオンラインの指導を受けるまで併願可能な入試があることを全く知りませんでした。お世話になった機関は添削指導も受験のアドバイスも充実しており、オンライン指導なしでは合格できなかったと思います。


Q.大学に入学してから一般入試の人と比べて学力の差を感じることはありましたか?

// Aさん
私は全くありませんでした!むしろ、自分が大学入学後に何をしたいのかを推薦書で書いてきたため、授業の選択やサークル選びなども他の人より迷いなくできました。それに、私は共通テストや二次試験のための勉強を11月までしていたので、大学の授業に遅れをとるようなこともありませんでした。

// Bさん
大きくは感じませんでした。しかし、今国語の教員免許を取ろうと思い大学で漢文の授業などを取っているのですが、学校でもう少し古文や漢文を真面目にやっていれば良かったなと思う瞬間はあります。しかし、入ってしまえば入試の形式を気にする人なんていないので、指定校推薦や総合型選抜は使えるならとことん使うべきだと思います。

Q.総合型選抜はどんな人におすすめ?

// Aさん
勉強だけではない何かの物事に打ち込んだ経験がある人に向いていると思います。部活に熱心に取り組んだり、地域のボランティアをやっていたり。どんなことでも長く続けていることから得た学びが非常に大切で、そこから推薦書のネタが生まれると思います。逆に言えば学校での勉強以外に特筆すべき経験がない人は厳しいかもしれません。

// Bさん
文章を書くのが得意だったり自己アピールに自信がある人です。学外での何かしらの経験は、あればもちろん有利ですが、結局は文章での見せ方が問題になるので特別な経験がなくても誰でも総合型選抜は受けられます。私は地方の教育格差をなくしたいという目標を軸に、自分の地方での経験を小論文に書きました。しかし大学で特に学びたいことがなく楽して受験したいから総合型選抜、という選び方は厳しいでしょう。意欲的な学生を大学は求めているので、小論文や面接で意欲が見られなければ落とされてしまいます。

まとめ

総合型選抜は、うまく攻略すれば一般入試のみの受験よりも第一志望への合格可能性を高めることができる入試制度です。一般入試と対策が異なる面もありますが、実際に総合型選抜を使った上記のお二人からはこんなメリットが挙げられました。

  • 受験勉強がそのまま大学での学びに直結する
  • 特技や自分の強みを活かせる
  • 文章を書くスキル、自己アピール能力が鍛えられる
  • 大学入学後にやりたいことが定まる

大学ではレポートや試験などで文章を書く機会が増えるほか、自分の主張や興味関心が問われる場面が多くなります。そういった場面で、総合型選抜の対策でもある「今までの自分は何をしてきたのか?」「今自分は何がしたいのか?」を文章に起こすスキルは非常に役立ちます。

そして、以下のような人に総合型選抜をおすすめします。

  • 勉強だけではない何かの物事に打ち込んだ経験がある
  • 文章を書くのが得意
  • 自己アピールが得意
  • 大学で成し遂げたい目標がある

一般入試のみの受験を検討していた方も、この記事を読んで総合型選抜に興味が湧いたなら、是非積極的に検討してみてください。一般入試との併願もできる場合がありますので、第一志望の大学のサイトや学校に相談の上、適切な対策を早い時期から計画しましょう。

もし調べていく中でネットの情報だけでは足りず、周囲の助言だけでは不安に感じることがあれば、オンラインの指導、総合型選抜の対策塾に通うこともおすすめです。総合型選抜に特化した塾であれば、入試内容に沿ったアドバイスや志望校に合わせた情報を提供することができます。

関連する奨学金:株式会社オーナー〈高校生向け総合型選抜・AO推薦入試対策講座サービス〉

株式会社オーナーは、「一人ひとりが、自分の人生のオーナーとして輝ける世界を目指す」をビジョンに、総合型選抜・AO推薦入試対策講座などを企画しております。 探究学習のオンライン教材「探究百科GATEWAY」も無料で提供しており、高校生に自分のキャリアや進路を考える機会を提供しています。
会社概要は<こちら>

総合型選抜・AO推薦入試に挑戦する受験生を全面的にサポートするため、株式会社オーナーでは総合型選抜・AO推薦入試入試対策講座サービスを開始し、サービス開始記念として「受験生応援奨学金!」を設立致します。

受験生応援奨学金では、合格者10名(予定)に志望校に応じた総合型選抜・AO推薦入試対策サービスを無料でご提供、選考にお申込みいただいた受験生全員に初回の総合型選抜・AO推薦入試対策サービスを無料でご提供します。

詳細を確認、申し込み等は<こちらのページ>をご覧ください。

  • 経済的な理由で総合型選抜・AO推薦入試への挑戦をあきらめたくない受験生
  • 総合型選抜・AO推薦入試の相談相手がいない受験生
  • 将来の可能性を広げていきたい受験生
  • 「志望大学に合格したい!」という熱い思いがある受験生

合格者に限らず、申込者全員が初回の入試対策サービスを無料で受けることができますので、この機会に是非一度ご相談ください。

多くの受験生のご応募をお待ちしております。

同じカテゴリのコラム一覧